第38回 プロジェクト「いのち」のお知らせ

プロジェクト「いのち」は、お陰様を持ちまして発足してから8年目を迎えました。
これまで「いのち」に関わる、様々な分野の先生方をお招きして、参加者一人ひとりが、気づき・学び・体験を通して、≪いのち≫の「自感・自覚・自証」を深めて参りました。
今、時代は大きな転換点を迎えております。
本会もこれまで以上にバージョンアップをして、≪いのちの響存≫すなわち「共感・共振・共創」の輪を拡げてゆく所存です。
その第一歩として今回は、主に京都大学の広井良典先生には「人間と社会との関係性」について、大阪経済大学の德永光俊先生には「自然と人間との関係性」について、関西大学の近藤誠司先生には「自然と社会と人間との関係」について御講演頂きます。
その後のシンポジウムでは、≪いのち≫の立場から、現代の問題の一つである“孤独”に焦点を当て、つながりの中で感じる孤独の正体とは何かを、皆様と一緒に探求し、問題解決の糸口を見つけ出したいと考えております。
万障お繰り合わせの上、御参集頂きますよう御案内申し上げます。
皆様のお越しを、お待ちしております。

日 時:平成29年6月25日(日)  14:00~17:00

場 所:
キャンパスプラザ京都2階 ホール
〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下る
TEL: 075-353-9100
(京都駅ビックカメラ前、JR京都駅ビル駐車場西側)

シンポジウム:
「孤独なコミュニティーをどう生きるか」
― つながりの中で感じる孤独の正体 ―

シンポジスト:
・京都大学  広井良典 教授
 「いのちとコミュニティー」
・大阪経済大学 德永光俊 学長
 「いのち」から見た農業の歴史と未来
・関西大学 近藤誠司 准教授
 「災害から浮かび上がる現代社会の脆弱性」

タイムテーブル:
13:30−14:00 開場
14:00−14:05 開会挨拶
14:05−14:35 「いのちとコミュニティー」        広井良典先生
14:35−15:05 「いのち」から見た農業の歴史と未来    德永光俊先生
15:05−15:35 「災害から浮かび上がる現代社会の脆弱性」 近藤誠司先生
15:35−15:45 休憩
15:45−16:55 パネルディスカッション 進行:丘山願海 所長
16:55−17:00 閉会挨拶

略歴:
〇 広井 良典(ひろい よしのり)
京都大学こころの未来研究センター教授
1961年岡山市生まれ。東京大学教養学部卒業(科学史・科学哲学専攻)、同大学院修士課程修了後、
厚生省勤務をへて1996年より千葉大学法経学部助教授、2003年同教授。この間、2001―02年MIT客員研究員。2016年4月より現職。専攻は公共政策及び科学哲学。社会保障、医療・福祉、都市・地域等に関する政策研究から、ケア、死生観等に関する哲学的考察まで幅広い活動を行っている。
『日本の社会保障』(岩波新書、1999年)でエコノミスト賞、『コミュニティを問いなおす』(ちくま新書、2009年)で大仏次郎論壇賞受賞。他の著書に『死生観を問いなおす』(ちくま新書)、『定常型社会』
(岩波新書)、『ポスト資本主義』(同)など多数。
この間、教育再生懇談会委員、国際協力機構(JICA)社会保障分野課題別支援委員会委員、内閣府・幸福度に関する研究会委員、厚生労働省・統合医療のあり方に関する検討会委員、総務省・緑の分権改革の効果の評価手法等に関する研究会委員等を務める。

〇 德永 光俊(とくなが みつとし)
大阪経済大学学長
1952(昭和27)年愛媛県生まれ。京都大学農学部農林経済学科卒業後、同大学院農学研究科後期博士課程単位取得。京都大学農学博士。大阪経済大学経済学部教授を経て、現在、同大学学長。『日本農書全集』(共編著、農文協)、『日本農法の水脈-作りまわしと作りならし-』(農文協)、『日本農法史研究-畑と田の再結合のために-』(農文協)、『日本農法の天道-現代農業と江戸農書-』(農文協)、『写真でみる朝鮮半島の農法と農民』(共編著、未来社)、『黒正巌と日本経済学』(編著、思文閣出版)など
編著書多数。

〇 近藤 誠司(こんどう せいじ)
関西大学准教授
京都大学大学院情報学研究科博士後期課程指導認定退学。博士(情報学)。
元NHKディレクターとして災害報道に従事。NHKスペシャル『メガクエイク 巨大地震』で科学技術映像祭・内閣総理大臣賞を受賞。人と防災未来センター・リサーチフェロー、京都大学防災研究所巨大災害研究センター非常勤講師、神戸学院大学非常勤講師を兼務。主な著書に『ワードマップ 防災・減災の人間科学 いのちを支える 現場に寄り添う』(新曜社, 2011)、分担執筆で『現場でつくる減災学 共同実践の五つのフロンティア』(新曜社, 2016)など。年間50本ほど、各地で講演活動をおこなっている。テーマは、地域防災や防災教育、災害情報とメディアなど。日本で唯一の「災害ジャーナリズム論」のゼミナールを開講。2016年度「ぼうさい甲子園」で優秀賞受賞。

◎定例会参加費(当日お支払い)
一般の方は2,000円
学生・高齢者は1,000円

尚、出欠の御返事を6月16日(金)までに、下記メールアドレスに御連絡頂ければ、シンポジスト3名の抄録を、事前に添付資料にて送付させて頂きます。

inochi.project@@gmail.com
(@をひとつ除いてください)

シンポジウムチラシ(PDF) ←クリックするとチラシのPDFデータが開きます。


第37回 プロジェクト『いのち』定例会を開催いたしました

2017年5月21日(日)、キャンパスプラザ京都にて、第37回プロジェクト『いのち』定例会を開催いたしました。

今回の定例会では、中村本然先生(国際科学振興財団バイオ研究所特任研究員・元高野山大学教授)をお招きし、下記の演題でご講演いただきました。

➀ 空海の思想と現代―空海の唱えた心身智無量論を中心としてー
②「宗教と科学の対話」事業の報告

講演では、まず真言密教とは何かについて、またその世界観や修行法について、初心者にもわかりやすく丁寧な言葉で解説していただきました。

真言密教では、”普遍的な意識”が自分の本質であり、
それに生かされていることに気づくということが目的である。

本来は言葉や表象で表現し得ない真理というものを曼荼羅によってイメージ化したこと、
また思想を具体的な修行法として技法化したところにその特徴がある。

中村先生は仏教学者である一方、真言密教の僧侶という実践者でもいらっしゃり、理論だけでなく実体験に基づいた非常に貴重なお話をしてくださいました。

また、上記①・②の演題については、生命科学の進展に伴い希薄になっている”死”の問題や、祈りが及ぼす影響についての科学的実証研究についての報告など、現代社会における仏教のありようや自然科学との連携について、実践に即した報告と問題提起とがなされました。

後半は、医学・哲学・教育学・心理学等様々な分野の方々からの質問・意見でディスカッションが展開し、それぞれの専門分野を超えて共通基盤を創る上で有意義な時間となりました。

次回は、6月25日(日)に、プロジェクト『いのち』合同企画シンポジウムを予定しています。
近日中にこちらでもご案内いたします。
皆様のご参加を、お待ちしております。