平成26年11月9日、第24回プロジェクト「いのち」定例会を開催しました。
11月29〜30日に京都大学で開催される人体科学第24回大会に向けた講演を
渡邉勝之先生、守屋治代先生、北村翰男先生の御三人にしていただきました。
- 渡邉勝之、始原東洋医学の立場から澤瀉の『医学概論』を再考する(明治国際医療大学)
- 守屋治代、ナイチンゲール看護論における自然認識(東京女子医科大学)
- 北村翰男、操体法の症例から澤瀉「医学概論」を再考する(奈良漢方治療研究所)
渡邉先生は、始原東洋医学の立場から、
澤瀉久敬の『医学概論』を再考した。
東洋医学は本来いのちの領域である潜象界の医学であり、
現象界のみではないこと。
東洋医学はいのちの働きである
引性の法則が原理となって働くこと。
東洋医学は心身二元論の奥にある、
いのち(瑛)一元論に立つこと。
東洋医学を術レベルから学レベルに昇華するためには
印知感覚を再獲得して古典の内容の取捨選択し
よりよいものを形成すること。
いのちの働きである以上、
自感・自覚・自証することで全一性を捉え、
医学医療を見直すべきであることなどを発表された。
守屋先生は、ナイチンゲールの
真理を求めようとする姿勢の背景について、
宗教哲学や世界観、自然観について考察した上で、
病気とは健康を妨げている条件を除去しようとする
自然な働き、修復過程であること。
健康とは持てる力を十分に活用できること。
看護は、自然な働きが最も望ましい条件に
生命をおくよう
Natureの働きを助け
協働することと、
認識していたことなどを問題提起された。
北村先生は、操体法考案までの経緯から
今までの実践を通して、
身体の声をいかにして聴き偏りを戻すか、
その具体的方法についての発表であった。
特にポイントとなるのは、
自分が快方に向かおうとすること、
内なる自然の反応として
自分の体が良いか悪いか教えてくれていることを
重視していることを講演していただきました。
内容が盛りだくさんで、濃密な4時間であったかと思います。
次回のプロジェクト「いのち」定例会は12月7日(日)です。
中岡成文先生の「生きる中で〈学〉をする-医学概論と臨床哲学」をテーマに講演していただきます。
皆様奮ってご参加下さい。